ウィンドウズ開発統括部の Blog で、Windows Vista の MUI (Multilingual User Interface) に関する丁寧で分かりやすい解説記事が公開されています。
【MUI】
その1: http://www.exconn.net/Blogs/windows/archive/2006/05/25/11785.aspx
その2: http://www.exconn.net/Blogs/windows/archive/2006/05/25/11855.aspx
MUI って何?とかMUI の仕組みは?という点はリンク先を読んでいただければ分かると思いますので省略しますが、(個人的な)管理者側からの感想として、 MUI 標準化による効果はかなり大きなものがあると思っています。
たとえば、セキュリティ更新プログラムの適用がいい例。
昨今のワールドワイドで展開する企業を見ると、ITシステムのグローバル化が図られ、たとえばアメリカ本社もドイツも日本も同一ツリー上の Active Directory に配置され、さらに同じツリー構造を持った SMS で一元管理している、なんていうケースも珍しいものではなくなってきています。
# Microsoft IT (OTG: Operations and Technology Group) が主要な事例ですね。
このようにグローバルで展開する企業の場合、セキュリティポリシーも全世界共通の基準が設けられていることが多く、そのひとつとして「月例のセキュリティ更新プログラムはxy日以内に適用完了すること」なんてのが含まれます。
一方、ユーザーは必ずしも英語圏の人ばかりではないので、(MUI が存在しない場合は)クライアントOSは各国で個別に調達しなければいけません。
この場合、せっかく SMS で一元管理しているにもかかわらず、言語の違いにより適用するセキュリティ更新プログラム(バイナリ)が異なってしまい、非英語圏の管理者は個別に更新プログラムの適用を実施しなければいけなくなります。当然、グローバル共通のセキュリティポリシーを守るのも難しくなります。
# SUS/WSUS をご利用の方も、予めダウンロードする言語を選択する必要があることを覚えているかと思います。
しかし MUI の場合は違います。
Windows Vista における MUI はまた少し構造が異なってくるようですが、現在の Windows XP における MUI は「英語版Windows XP +多言語オプション」という構成であり、基本的には英語版Windos XPです。
つまり、適用すべき“パッチ”も、原則として英語版で統一されます。
# 例外的に、特定言語に固有のパッチが適用される可能性はありますが。
Microsoft IT の場合はどうか分かりませんが、外資系で国内展開している企業なんかを見ると、すでに Windows XP MUI を利用してクライアントOSのワールドワイド一元管理を実現・成功している事例もちらほら見受けられます。つまり“パッチ”の配信設定からステータス確認までを、本国のIT管理部門だけで対応できているのです。(現地ITスタッフは、物理的な対応が必要な作業だけに専念できます。)
一方、日系企業におけるMUI浸透率はまだ相当低いように感じます。しかし Windows Vista で MUI がデファクトとなることで、国内を中心とする企業でも、より中央集権的な管理が図られるようになってくるものと期待しています。
---
ちょっと脱線しますが、Windows XP MUI がそれほど浸透していない理由のひとつは、国内アプリケーション・ベンダーのサポート姿勢にあると思っています。
ベンダーのサポート・ページを見ると、一見「Windows XP での動作保障をします。」と明確に書いてあるにもかかわらず、実際には Winodws XP 日本語版しかサポートしないことが多いのです。
---
最後に Windows Vista のMUI で注意すべき点を。
Windows Vista の MUI 化は "Windows Vista Enterprise Edition" と "Windows Vista Ultimate Edition" に限定されます。
個人ユースの Edition に関しては特に問題ないと思いますが、ビジネス向けのひとつ "Windows Vista Business Edition" も対象外です。Microsoft の戦略なのかもしれませんが、ここは統一してほしかった。。。