これまで何度か(これとかあれとかそれとか…)取上げてきた表題の問題ですが、ようやく解決に向けての正式回答が示されました。
これまでの流れを簡単に振り返りつつ、現状をまとめてみます。
【問題点】
SMS 2003 ITMU (Inventory Tool for Microsoft Updates) を使用して更新プログラムを配布すると、各クライアントでのスキャン実行時やサーバー側での同期時に CPU 使用率が100%で張り付く。張り付く時間はマシンスペックにも寄るが、大体5分~10分間ほど。
また同じような問題が、MBSA 2.0 や Windows Update Agent を使ったプログラム使用時にも発生する。
# スキャン = 更新プログラムの適用状態(適用済みのもの, 適用が必要なもの)を調べるプログラム
【原因】
スキャン実行時に使用される定義ファイル (wsasuscan.cab) の“格納ファイル数の限界”を超えてしまったため。
--補足--
wsusscan.cab には、過去にリリースされたあらゆる更新プログラムの情報が多数のテキストファイルに分散して記述されています。このテキストファイルの数がキャパを超えてしまったため、CPU がフル回転する現象を引き起こします。
なお、CAB としての格納ファイル数リミットは 64,000 ファイルです。
【これまで提示されていた回避策】
KB924513: WSUSScan.cab ファイルの変更 にあるように、Microsoft では明らかに不要になった定義ファイルを削除することで、wsusscan.cab に含まれるファイル数の削減を図りました。8月後半のことです。
これによって CAB の限界点よりはファイル数が抑えられ、ある程度の改善が図られたものの、なおスキャン実行時にはCPUフル回転の状態が発生し続けました。
【このたび提示された解決策】
Microsoft は wsusscan.cab ファイル自体の工夫による問題解消は困難と判断し、新しいフォーマット形態である wsusscan2.cab を設計・リリースすることを発表しました。合わせて SMS ITMU などのツールも、wsusscan2.cab をもとにスキャン実行するようにプログラムのアップデートが行われます。
⇒ KB926464: Windows Update オフライン スキャン CAB ファイルの新しいバージョンが公開される
この新しい CAB ファイルおよび関連ツール群は来月11月にリリースされる予定です。(日時は未定)
つまり11月にリリースされ次第、必要なアップデート処理を行うことにより、問題は解決されることになります!
なお、SMS ITMU 新バージョンのシステム要件は、現行のものと特に変わらないとのことです。
【補足・考慮点】
ファイル数の限界という問題を抱えている現行の wsusscan.cab ですが、今後もしばらくはメンテナンスを加えながら更新プログラムのリリースと共に更改されていきます。
しかし、Microsoft は wsusscan.cab のサポートを 2007年3月 で終了させる予定です。それ以降は現行の CAB ファイルを用いたスキャンを実行してもエラーが返ってくるようになります。つまり、遅くとも 2007年3月 までにスキャンファイルや関連モジュールのアップデートを行う必要があります。
これは SMS ITMU に限った話ではなく、MBSA 2.0 のオフラインスキャンを実行するケースや、wsusscan.cab ファイルを参照する独自プログラムを使用している場合も対応が必要です。
# より詳細な情報は、KB926464 を参照のこと。
また新しいほうの wsusscan2.cab ですが、こちらは新しい更新プログラムがリリースされるごとに定義情報が“追加”されるのではなく“上書き”または“書き換え”によって順次古い情報が削除されていく仕組みになります。そのため、極端に古い更新プログラムはスキャンできなくなる可能性があります。
【関連情報】
本件に関して、2つほど関連記事を紹介。
- Microsoft says ITMU fix is near -
http://searchwinit.techtarget.com/originalContent/0,289142,sid1_gci1222844,00.html?track=NL-118&ad=567171&asrc=EM_NLN_628107
- ITMU Update - November 2006 -
http://myitforum.com/cs2/blogs/gramsey/archive/2006/10/12/ITMU-Update-_2D00_-November-2006.aspx
- The definitive response to ITMU updates... -
http://myitforum.com/cs2/blogs/rtrent/archive/2006/10/17/The-definitive-response-to-ITMU-updates_2E002E002E00_.aspx
【結論】
端的にまとめると、SMS ITMU や MBSA 2.0 などの該当プログラムを使用しているユーザーは、11月の新スキャン定義ファイル (wsusscan2.cab) リリース後に必要な処置を実施すれば OK です。これで不自然なリソース消費に悩まされることはなくなるはずです。
また、リソース消費が気にならないという場合であっても、現行の定義ファイル (wsusscan.cab) は来年3月までしか使用できないため、遅くともそれまでに処置を施す必要があります。
以上、久々の長文でした。