仮想化の波はあちこちで起こっていますが、このたびMicrosoftのライセンスポリシーにおいても仮想化対応を目的とした重要な変更が行われたようです。
【マイクロソフト、仮想化技術の利用を容易にする新たなライセンス方式とサポート体系を導入】
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3504
大まかに二点、変更になっています。
■ 仮想化技術の柔軟な利用を可能にする新たなライセンス
一つ目は仮想化環境で動作させるサーバーアプリケーションのライセンス条項変更。
従来のサーバーライセンスは基本的に物理サーバーに結びつくことを前提としていたため、物理サーバーA上で稼動している仮想マシン(VM)を別の物理サーバーB上に移動する場合、そのVMをサーバーAとサーバーBで稼動させるために必要になるライセンスは別々でした。
もう少し細かく言うと、A=>Bへの一回目の移行はひとつのライセンスで許可されていたんですが、再度B=>Aに移動したり、B=>C(それ以外のサーバー)に移動させるためには、前回の移動から90日間経過していることが条件となっていました。
通常のサーバー移行とかであればこれでも問題ないのですが、VMwareのVMotion(もしくはDRS)のように状況に応じてVMが物理サーバー間を行ったり来たりすることを前提とする仕組みの場合は問題であり、実質移動する可能性のある物理サーバー分だけライセンスが必要だったわけです。
今回は、その「90日間」という制限が撤廃され、必要に応じて何度でもVMが物理サーバー間を行き来できるようになります。ようはライセンスがVMに結びつくため、ホストとなる物理サーバーに影響を受けることなくVMを稼動させることが出来るわけです。VMotionのためだけに購入していたようなライセンスは不要になります。
さて今回の発表。それだけだとVMwareにとってはかなりの追い風になりますが、Microsoft(Hyper-V)的には現行機能でのメリットってそれほど大きくないんですよね。近いうちに、Microsoft版VMotionであるLive Migration機能が出てくると期待していいのかもしれません!?
■ テクニカル サポートの範囲拡大
そしてもうひとつは、仮想化環境に対するサポート方針の変更。
これまでのMicrosoftの技術サポートの基本方針は、「仮想環境で何かしら障害が発生したときもサポートは受け付けるよ。ただし、物理環境でも同じ障害が再現できたらね。」というものでした。
障害の原因がMicrosoftアプリケーションにあるのか、それとも仮想化環境であることを起因することなのかの切り分けを、事前にユーザー側で確認することを求めていたわけです。
実際には仮想環境で発生した障害を(物理環境で確認することなく)そのまま問い合わせても回答してもらえることが多かったですが、正式にはNGだったわけです。そのため企業によっては、かなりのアプリケーションを仮想化してせっかくサーバーを集約したのに、結局障害発生時のリスクを抑えるために余分な物理サーバーを用意せざるを得なかったのです。
今回の変更によって、(正式に仮想化環境での動作テストをパスした製品に限りますが)物理/仮想環境を問わず、同等のサポートを受けられるようになりました。
ただ気になることに、この発表レターを読む限りでは、対象になる仮想化環境が「Windows Server(R) 2008 Hyper-V(TM)、Microsoft Hyper-V Server、あるいはサードパーティー製の認定済み仮想化プラットフォーム」と記載されていて、どのサードパーティー製仮想化環境に対応するのかが明記されていないんですよね...
一部ニュースサイトとかを見ると、「VMwareをはじめとする・・・」といった文言が書かれちゃっていますが、実際のところは不明です。テストプログラムに参加している企業が、CitrixやVirtual Iron などとなっているので、もしかしたらサポート対象はXenServerやVirtual Iron等に限定され、VMwareは入ってこないのかも??